公務遺族年金

受給要件

次のいずれかに該当した場合にその遺族※1が公務遺族年金を受給することができます。公務遺族年金は受給権を有する方の請求に基づき、国家公務員共済組合連合会が決定します。

組合員が公務による病気または負傷に係る傷病(以降、「公務傷病」という)により死亡したとき
組合員が退職後、組合員期間中の初診日※2がある公務傷病により、初診日※2から5年以内に死亡したとき(1年以上の引き続く組合員期間を有し、公的年金の加入期間が25年以上ある者の場合は、組合員が退職後、組合員期間中の初診日※2がある公務傷病により死亡したとき)
障害等級1級または2級の公務障害年金の受給権者が、公務障害年金の支給事由となった公務傷病により死亡したとき(1年以上の引き続く組合員期間を有し、公的年金の加入期間が25年以上ある者の場合は、公務障害年金の受給権者が、公務障害年金の支給事由となった公務傷病により死亡したとき)
なお、通勤災害は対象となりません。
※1 遺族の範囲および要件は遺族厚生年金に係る遺族と同様になります。
※2 該当する病気または負傷に係る傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
また、初診日がない場合には、該当する傷病の発した日をいいます。なお、いずれの日(これらの日が、平成27年10月1日前である場合については、別途、経過措置で支給される経過的職域加算の対象となります)であっても平成27年10月1日以降である必要があります。

年金額

公務遺族年金の年金額は、次のように計算します。

公務遺族年金額 公務遺族年金算定基礎額※3 × 調整率
死亡日の年齢区分※4に応じた終身年金現価率※5

上記により計算した金額が、次により計算した金額より少ないときは、この計算による金額が年金額となります(最低保障)。

1,038,100円×各年度における国民年金法の改定率-厚生年金相当額※6
※3 公務遺族年金算定基礎額は、次の①または②の額となります。
なお、使用する組合員期間は、すべて平成27年10月1日以降のものに限ります。
① 組合員期間が300月未満の場合
給付算定基礎額※7× 2.25 /組合員期間月数× 300
② 組合員期間が300月以上の場合
給付算定基礎額※7× 2.25
※4 公務遺族年金の支給事由が生じた日における年齢を基準とした区分となります。
ただし、原則として64歳に満たないときは、64歳を基準とした区分となります。
※5 基準利率、死亡率の状況およびその見通しその他政令で定める事情を勘案して、終身にわたり一定額の年金額を支給することとした場合の年金額を計算するための率であり、毎年9月30日までに国家公務員共済組合連合会の定款で定めることとされているもので、公務遺族年金の場合には、支給事由が生じた日において使用した率を受給権が消滅するまでの間、使用します。
※6 遺族厚生年金等および政令で定めるその他の年金の額または政令で定める額のうち最も高い額をいいます。
※7 退職年金の受給権者である場合には、終身退職年金算定基礎額 × 2(組合員期間が10年未満の場合は、× 4)になります。

支給停止

1. 夫、父母または祖父母に対する公務遺族年金は、その受給する方が60歳に達するまでは、支給が停止となります。ただし、夫に対する公務遺族年金については、その夫が遺族基礎年金の受給権者の場合は受給することとなります。
2. 子に対する公務遺族年金は、配偶者が公務遺族年金の受給権者である間、支給を停止し(配偶者の公務遺族年金が支給停止されている場合は除きます)、配偶者が受給することとなります。
3. 配偶者に対する公務遺族年金は、その死亡について配偶者が遺族基礎年金の受給権を有さず、かつ、子が遺族基礎年金の受給権を有する間は、支給を停止し(子に対する公務遺族年金が所在不明のため支給停止されている場合は除きます)、子が受給することとなります。
4. 公務遺族年金の受給権者が1年以上所在不明の場合には、同順位の遺族による申請により、その受給権者に対する支給を停止させ、申請者が受給することができます。

失権

受給権者が次のいずれかに該当したときに、公務遺族年金の受給権が消滅します。

1. 死亡したとき
2. 婚姻したとき
3. 直系血族または直系姻族以外の者の養子となったとき
4. 死亡した組合員との親族関係が離縁によって終了したとき
5. 受給権を取得した当時30歳未満である妻に支給する公務遺族年金で、同一の支給事由による遺族基礎年金の受給権を取得しないまま5年が経過したとき
6. 同一の支給事由による遺族基礎年金の受給権が30歳未満で消滅した妻に支給する公務遺族年金で、受給権消滅後5年が経過したとき
7. 子または孫(障害等級が1級または2級の障害者である子または孫を除きます)が、18歳の年度末に達したとき
8. 障害等級が1級または2級の障害者である子または孫が、18歳の年度末以降20歳に達するまでの間に障害が軽快したとき、または障害を有したまま20歳に達したとき

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